乾燥している肌は、皮膚のうるおい(水分量)が少なくてかさついたり、あれたりしやすくなっている状態です。
乾燥肌は、皮膚の水分と油分の両方が足りていないという特徴があることをご存知でしょうか?
水分と油分のバランスがよいときには、外からの刺激をバリアできて肌をみずみずしく保てていますが、バランスが乱れると乾燥に傾いてしまいます。そんな時は化粧品を活用してみませんか。
今回は、肌の水分・油分のバランスを整えるためのスキンケアで気をつけたいポイントを3つご紹介します。
肌のうるおいに必要な3つの要素とは
肌のうるおいにはNMF(天然保湿因子)・細胞間脂質・皮脂膜の3つが必要。これらは保湿因子と呼ばれます。
NMF
NMFは皮膚(角層)にあります。主成分はアミノ酸。他にPCA、乳酸ナトリウムや尿酸も含んだ水溶性の物質です。水分を吸収して、保つことに役立っています。
細胞間脂質
細胞間脂質もまた、角層にあります。主成分はセラミド。油性の成分に分類されます。水と油の両方になじみやすい構造の物質で、角層の水分を保ったり、肌のバリア機能を担ったりしています。
皮脂膜
皮脂膜は汗や皮脂が混ざって乳化した状態のもの。天然のクリームともいえるこの膜は、皮膚の表面にあることで水分が空中に蒸散されるのを防ぎ、また皮膚を外界からガードもしています。化粧品原料のスクワランに性質が近いものです。
これら3要素が関わりあって、肌の水分量は一定に保たれているのです。
スキンケアでのポイント解説
では、ここからはうるおい肌を導くスキンケアでの商品選びや使い方の工夫をご紹介します。
保湿するために十分使いたいのはローション
ローション(化粧水)は、洗顔の後に塗布するものです。成分のほとんどは水で、温泉水や花などの水蒸気蒸留水もこの類。肌に水分を与えてうるおわせるのが、まず大切。
さて、塗布するところは全顔。しかし、こめかみ辺り・顎の下・耳の後ろもぜひ塗ってみてください!水分は乾いたところへと移っていく性質があります。しっかり顔がうるおい続けるようになる工夫です。
乾燥が強い場合、最初のうちは肌がうるおう分量を与えてみましょう。手のひらに吸いつくように“もちっ”を感じたら十分!きっと肌が安定してうるおってくるようになると、分量は自然と減って標準的になるはずです。
ここでぜひ、ローションにアミノ酸類やセラミドなど保水や保湿する目的の成分含まれているかをチェックして!
どんな成分が入っているかは、化粧品の成分表示で確かめることができます。また、店頭で相談するのもいいですね。
美容液を上手に使って保湿成分を補う
お気に入りの成分を含んだローションが手に入りにくい……そんな時は、美容液を活用しましょう。
そもそも美容液とは、訴求する成分を多く配合しているもの。自分にあったものを探したり、必要な時に必要な分だけ使ってみたり。選択肢が広がるアイテムです。
美容液を使うタイミングは、ローションの前や後など商品によってさまざまです。せっかくの効果を発揮できるよう、確かめてから使いましょう。
水分蒸発を防ぐために活用したい乳液やクリーム
「塗布した水分を蒸発させないように蓋をする」とよく言われますが、まさに油分の性質を活かして閉じ込めるもの。
乳液やクリームは水性と油性の両方の成分を含んでいます。ただし、それぞれの割合は異なっていて、乳液よりも油性成分が多いのがクリームです。
つまり、乳液のオイルシールド効果はクリームほど高くないのですが、クリームを重く感じて苦手な場合は乳液を選ぶのも一手。とにかく、ローションだけでスキンケアが終わってしまうと、水分を留める力が足りないのです。
さらに、乳液やクリームをこんな風にも使えます。
- 夏には乳液で軽く、冬はこっくりとクリーム
- 乳液だけでは足りないと感じたら、クリームをON
- 部位や状態で使い分け
- 朝と夜で使い分け
乳液といっても商品それぞれで感触が違います。それはクリームも同じ。ぜひ実際に試して、好みのテクスチャーを見つけてみましょう。
季節に関係なく肌の水分と油分のバランスを整えよう
ここまで十分に保水や保湿すること、そして水分を逃さないという“与えるスキンケア”でのポイントを3つご紹介しました。
いまや乾燥する環境は冬だけではなくなりました。夏は強い日差しが照りつけたり、冷房が効いていたりと肌が乾く時期は長くなっています。不足するものを補いながら、うるおい肌を目指しましょう!
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